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ぎじゅつのてつがく
技術の哲学
戸坂 潤
「技術の哲学」時潮社、1933(昭和8)年12月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,443 字 · 164 页
的な社会理論家などが受け取っている社会的好遇と、全く平行している、という事実からも、推定することが出来る。今日わが国で奨励され助成されているものは、技術的科学のものでなければ、国民精神に関する研究題目を持った精神科学のものなのである。性急な世間は之を見て、技術家に対する幇助が直接思想善導に役立つのかとさえ思うかも知れない。
さてわが国の技術家が持っている社会的安定、それから来る安定の意識、又それを確保するための安定への意図は、殆んど全くそのまま自然科学者に就いてもあて嵌まる。一般的に云えば、わが国などに見られる資本主義社会に於ける「専門家」なるものは、大体に於てこうした良好な条件の下に生活していると見て良いようである。そしてもし、こうした専門家達によってブルジョア社会に於ける高級インテリゲンチャの可なりな部分が占められているなら、この結論は、例のインテリゲンチャの中間性という現象の部分的な説明にもなるだろう。
現在の技術家の社会生活の安定は併し、今や次第に脅され始める。ブルジョア技術の一種のゆきづまりと、一般的失業の進行とは、技術家の生活の足場を例外として残すことは出来ない。