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ぎじゅつのてつがく

技術の哲学

戸坂 潤

「技術の哲学」時潮社、1933(昭和8)年12月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,443 字 · 164 页

青空文庫

この世界は形而下の尋常な世界ではないので、「力を以て貫かれた超宇宙」、「第四王国*」だと云うのである。

* Dessauer 前掲書 S. 6―7, 36, 91ff. 第四王国とはカントの三批判書の対象界の外の謂である。

主観に於ける或る任意の規定に対応させて或る一定の対象界を想定し、之を何か本当の客観界であるかのように考えるのは、観念論者のスコラ癖である。今もこの例に漏れないわけで、技術乃至技術的なるものという技術の主観的存在様式に対応して、「技術的世界」、が客観的な技術の世界の代りに登場せしめられる。なる程之は全く観念論的にしか想定されない処の現実には限定捕捉し得ない「超」宇宙であらざるを得まい。だが今は、この結果が、物質的技術(無論その主観に於ける存在様式が今の問題だが)の本質を、発明というようなそれ自身も亦主観の働きにぞくする処の規定へしか結び付けなかったことから出て来たものだという点を注意すべきである。――主観的存在様式としての物質的技術にとって本質的な規定は、単に発明とか或いは又創造とかいう言葉で云い表わされた観念的範疇にあるのではなくて、もっと素直に又可視的に、道具又は機械という物質的で客観的な存在物との結合点に、見出されなければなるまい。