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ぎじゅつのてつがく
技術の哲学
戸坂 潤
「技術の哲学」時潮社、1933(昭和8)年12月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,443 字 · 164 页
現代の観念論的哲学者は、実践というものを多くは道徳的行為のことだと考えている。行為が只の肉体の表現運動ではなくて道徳的行為であるためには、夫は社会的行為でなければならない筈だが、この社会的行為も、歴史的な意義を担った歴史的行為でなければ本当の社会的行為でないのだとすれば、そうした行為は広い意味で政治的活動の外にはあり得ない。道徳的行為が単に倫理学的なものでなく歴史的なものだということを考えて見れば、道徳的行為も政治的活動として考え直さなければなるまい。マルクス主義的範疇による実践とは、こうした政治活動によって代表されている。
処が政治活動は第一に、社会全体から見ると、物質的生産活動――産業――によって直接に制約されていることは明らかであるから、政治的実践は産業的実践から来るものだと考えることが出来る。社会的実践はこの場合産業そのものを意味することとなる。処でこの産業は工場・農場・等々に於ける一つの社会的実験の性質を持っている。でこうして、政治活動―産業―(社会的)実験と、順次に社会の物質的地盤に向って下って行くことが出来る。この順序を逆にすれば、(社会的)実験は産業(生産活動)から政治活動へと上って行くことが出来るわけである。