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ぎじゅつのてつがく

技術の哲学

戸坂 潤

「技術の哲学」時潮社、1933(昭和8)年12月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,443 字 · 164 页

青空文庫

技術とイデオロギー

で、因果律が部分的にでも破棄されるならば、実験はそれだけ、科学的予見のための手段としての科学的価値を損ぜざるを得ないだろう。――だが実は、因果律を破棄しようとする思想―範疇体系は、元来かの技術的範疇を破棄しようとする処のイデオロギーに外ならず、それは取りも直さず、実験の客観的な意義を無視しようとするイデオロギーだったのである。こうしたイデオロギーを粉砕し或いは寧ろ救済するものこそ、マルクス主義的範疇の体系でなければならなかった。因果律という範疇なども、実験の概念と共に、マルクス主義的に把握し直された上でなければ問題にならないのである。

(吾々は実験の問題に続いて、他日統計の問題を取り上げる必要があると思う。)

技術とイデオロギー

「技術の問題」で、私は技術の本質が何であるかを概観しようと企てたが、その際二つの問題を残しておいた。「技術とイデオロギーとの関係」と「技術家」の問題。技術の本質に関する私の見解に対しては、色々の――中には非常に優れた――批評に接することが出来たが、併し吾々は問題を進めねばならぬ*。で、今、「技術とイデオロギーとの関係」を、極めて一般的に、取り上げようと思う。