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ぎじゅつてきせいしんとはなにか

技術的精神とは何か

戸坂 潤

「科学主義工業」1937(昭和12)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,188 字 · 17 页

青空文庫

る「技術の哲学」――之は実に沢山出版されている哲学書のジャンルだ――の大方なのだ。悪いのは資本主義の機構自身ではなくて、技術であり、技術的精神だ、というのである。

こういう技術の悲観説と終末思想とに反して、陽気なのはテクノクラシーなどの技術楽天説である。極端な例は資源を凡てエネルギーに換算し、このエネルギー計算の技師としての技術家が経済と政治とのブレントラストを組織せねばならぬ、という。勿論テクノクラシーの祖先と云われる経済学者ヴェブレンは、そういう安易な結論は出していない。そんな結論を惹き出したのは、半技術家で半文明評論家である若干の文化的野次等でしかないが、技術的精神の近代性を強調したまずい例として、意味があるのである。一体この技術楽天説は、アメリカ辺の若干の産業上の楽天説に由来しているのであって、フォードの「わが産業の哲学」などに於ける技術礼讃主義(フォード自動車の偉業は自動車を競争用の玩具から解放したことにあると彼はその『わが生涯と事業』の内で云っている)は、例の多量規格生産による低価格高賃銀主義が可能な範囲に於て可能なのであり、この産業上の楽天説が可能である限り、技術楽天説も可能であったわけだ。