轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おしえのきせき

押絵の奇蹟

夢野 久作

「新青年」1929(昭和4)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,749 字 · 114 页

青空文庫

古い事で御座いますからもうお忘れになっているかも知れぬと存じまして……。

初の大役「琴責め」

中村半次郎丈談

ありがとう存じます。

おかげで熱も出なくなりましたし、場合が場合ですから生命がけで勉強しております。

この阿古屋の琴責めというのは、当家の六代前の先祖で白井半之助というのから伝わっておりますので、父の代になってから方々で演じて、いつも当りを取ったものだと申します。着付はその代々の好みになっているのですが、父の代になりましてからは牡丹に蝶々ということに定めてしまいました。帯は黒地に金銀の唐草模様で、きまっていないのは襟だけですが、父のように黒とか黄とかいうような凝った渋好みのものは僕みたいに未熟な者には迚も使えませんから、もっとほかの古代紫か水色か何かにしようと思っています。父親の追善ですから白襟にしようかとも思っていますが、どうも僕の力では、そんな気分が出せそうにもありませんので、どうしようかと考えているところです。

十三貫目の衣裳の由来ですか……それは詳しい事は知りませんが、何でも僕が生れました年の正月(明治二十四年)から父は関西地方の興行に出かけまして、長崎から博多を打ち止めにして、三月のお芝居に間に合うように帰って来たそうです。