轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

りゃくだつせられたるおとこ

掠奪せられたる男

豊島 与志雄

「新潮 第二十九卷第三號」新潮社、1918(大正7)年9月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,398 字 · 48 页

青空文庫

山田はきっと下唇をかんだ。憤怒に似た胸騒ぎが彼の顔を汗ばました。彼は突然こんなことを云った。

「一体あなたは幾歳なんです?」

その問いは余りに唐突だったので、それを発した山田自身までが、きょとんとした顔で秀子の顔を見つめた。がやがて、秀子はその問いの意味が分って、白い歯で笑い出した。

「おほほ、あなた位変な人ったらありはしないわ。だしぬけに人の年をきいたりして。」

山田は苦笑するだけの度場をも失ってしまった。そして左手の甲で額をこすりながら頭を垂れた。秀子はその姿をじっと見ていたが、急に軽い調子で云い出した。

「あなたまだ私の年を知らないの。薄情だわね。もう忘れてしまって。いつか云ったじゃないの。あなたが二十三だから一つ上の二十四よ。あなた二十四という年はお嫌い? でももう二十四と云えば女ではお婆さんだわね。」

そして秀子は何と思ったか、真面目な顔をして考え込んでしまった。そして山田が彼女の上に驚いた眼を向けると、ふいに顔を上げてしみじみとした調子で云った。

「はたから見ると私は年よりもずっと老けてるでしょう。種々な苦労をしたからよ。小さい時に母親を失ったのよ。