轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
どうきゅうしつのしちにん
撞球室の七人
橋本 五郎
「探偵」駿南社、1931(昭和6)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,589 字 · 12 页
「ちょっと。どうかしましたか?」
そう云う別の台の、跪んでいる黒子の男の身体が邪魔になる法被姿の若い者の声と、
「どうぞ、こちらさん無かったのです」
そのゲーム取りの促す声とが二度聞えた。それでも返事がなかったので、それまで尻で物を言っていた別の台の法被が、先ず黒子の男をのぞき込んだ。私も不審な気がしたのでたって行って見た。ちょっとの間、室の中が何とはなしにしーんとした。
黒子の男が殺られていたのは台と台との間である。
「や、これは?」
とその法被が、パタンとキューを打ちなげて、黒子の男を後ろから抱き起した時は、もうそれは一個のむくろとなっていて、でも左の胸の、恰度心臓と覚しいあたりからは、こんこんと真赤な物が吹き出していた。
もじりの上から只一突きに、何か細身の短刀様の物でやられたらしい。素人の私にそれが解った程、その血の有様はハッキリしていた。
「位置を動かしちゃいけないいけない。誰か直ぐ交番へ。いやお君ちゃん、君が行ってくれるのが一番いい」
四人で撞いていた方の、会社員らしいワイシャツの青年が云った。
ゲーム取りは、顔色を変えて、それでももう入口の下駄箱から、キルクの草履を取り出していた。