轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ばんしゅうへいや
播州平野
宮本 百合子
「新日本文学」(第1~11節)、「潮流」(第16・17節)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 106,683 字 · 214 页
そういうある午後、富井の門の内に男の子たちが集まって大さわぎをやっていた。伸一を先頭に金鎚、薪割、棒きれを握った少年たちが、声を限りに大活動をやっている中心には、光る銀灰色に塗られた流線型の小型ボートめいた物がころがっていた。
パーンと、反響を大きくそれを打つ音がした。
「アレ! 俺らの手、ズーンちったよ」
「駄目だてば! 吉川、ここだったら、ホレ!」
三四人が懸声を合せて、流線型をひっくりかえした。そのはずみに、自分も裸足になって大いに参加していた四つの健吉が、ころんところがされた。
「健ちゃんがころげたぞ!」
「なアに、つええなア、もう一つ、ホーラ。でっくり返すべ!」
稚なごえをはり上げて、「健タン、健タン」と叫びながら起き上った健吉が、またもや勇ましく流線型にとりついて行った。
それは、飛行機につけるガソリン・タンクであった。こしらえたばかりで戦争が終って、村へ燃料として分配された。銀灰色の塗料から、きつい揮発性の匂いが立った。今は街道じゅうどの家の背戸からもこの匂いがしているのであった。
縁側に立ってその光景を見物していて、ひろ子は幾度か腹から笑った。