轻松读懂日语经典作品
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ぎじしんねん
擬似新年
大下 宇陀児
「宝石 一月号」1954(昭和29)年1月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,694 字 · 10 页
だから、教養の高い人ほど、「お」を使うことが上手である、と私は話し、なお続けて、だいたいは、外来語の片仮名のものには「お」をつけぬのがよいと述べた。
おビール、おサイダーなどは、女性が言う限りに於て、もう日本語になり切つていて、べつにへんだとは思わない。
が、女性が好んで使うトイレツトなど、オトイレツトじや吹き出してしまう。オエレベーターは舌を噛み、オテレビジヨンだと、テケレッツのパーとつけたくなる。
かくの如くして、私のお談義は、長くなつた。
卓上のバナナは、いの一番に皮だけになり、栗の皮が散乱し、長火鉢の炭も燃えつきて、冷えた茶は、もう色がなく、茶碗へ注ぐと音が高くなつた。
あつぱれ我娘は、中学三年である。
「わかりましたお父さま。でも、オムレツはいいでしよう?」
私は、ぎやふんと参つた。
そのつもりがあつての発言ではなかつたろう。が、図らずも虚を衝いた。
「うん、そうだつたな」私は答えて、この敬語の講演をぴたりと止め、そこで外来者も、ほつとした顔で、まだ外は人通りがあるうちに、帰つて行くことができたのであつた。
× × ×