轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はせくらじけん

支倉事件

甲賀 三郎

「読売新聞」1927(昭和2)年1月15日~6月26日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 204,697 字 · 406 页

青空文庫

あの時の事はちゃんと片がついているのでございますから」

「はゝあ、ちゃんと片づいているのですか」

「はい、神戸牧師に仲に這入って頂きまして、すっかり話をつけましたのです」

「何でも無頼漢の叔父かなんかゞいたようですが、そんな奴が訴えでもしたのではありませんか」

「さあ、そんな事はないと存じますが、あの叔父と申すのは随分分らない人でしたから――」

「そうだったようですね。私はあの女中さんを隠したのもそいつの仕業だろうと思っているのですよ」

「主人もそう申して居りました」

「然し、聖書の事位ならそう逃げ隠れしなくても好さそうなもんですがなあ」

浅田は独言のように云ったが、何を思ったか形を改めて云った。

「ねえ、奥さん」

浅田は形を改めて切出した。

「ねえ、奥さん。こんな事を云っちゃなんですけれども、支倉さんはそう頼みになる人ではありませんよ」

「――――」

静子は黙って、咎めるように浅田の顔を仰ぎ見た。

「ひどい事を云う奴だとお思いかも知れませんが、支倉さんの今度の遣方などは凄いものですよ。一月の末でしたかね、刑事がやって来た時に支倉さんは巧妙な方法で逃げたでしょう。そうしてあの晩は火薬製造所跡の庭で一晩明したのだそうですよ。