轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はせくらじけん

支倉事件

甲賀 三郎

「読売新聞」1927(昭和2)年1月15日~6月26日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 204,697 字 · 406 页

青空文庫

然しそれも事柄によります。現在のように法律問題となって、法廷の曲直を争っている彼に対して、私が義侠的に救けると云う途はないと思います。法廷に立って私は、権力を以て強られるまゝに、真実私の感じた事を述べるより外はありません」

「先生の御意見はよく分りました。では私として、法廷の証言以外に彼に対して、どうか好意を持ってやって頂きたいとお願いするより致方ありません」

「私は前申上げた通り、彼に対して悪意を持った事はありません。仰せの如く今後出来るだけ好意を持ち続ける事にいたしましょう」

「どうも恐れ入ります。そう願えれば之に越した喜びはありません。それから」

木藤は鳥渡言葉を改めて、

「お言葉に甘えてお願いがありますが、実は支倉が小林貞の事に関して、当時先生に差上げた書面が数通ある筈だが、それは自分に利益のある書面だと思うから全部お借し下さる事を願って呉れと申したのですが、いかゞでしょう」

「書面ですって」

神戸牧師の顔にはチラリと不快な影がさした。

「さあ、私も書面は一々保存はして居りませんが、当時支倉の寄越したものは残っていたかと思います。然し、それが果して彼に利益があるでしょうか」