轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ほうしんきょうじゅ

放心教授

森 於菟

「屍室斷想」時潮社、1935(昭和10)年3月9日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,647 字 · 10 页

青空文庫

とかく女というものはつまらぬことに気づきやすいものである。そのうち私は本郷一丁目で電車を降りてその頃あの角にあった若竹亭という寄席に入った。今の学生諸君には映画レビュー、その他禁断の果を猟ればダンス麻雀クラブその他我々の知らぬ種々の娯楽があろうがその頃には碁将棋か寄席か芝居の立見くらいのものであった。そこで落語か何かの掛行灯のある寄席に入ろうとすると、帳場に座っていた若い男が「はなはだ失礼で御座いますがお召物が裏のようで」と注意してくれた。ここではさすがに単物表裏無差別論を強調することもできずその男の好意を謝し、案内された別室で着直して観客席に入った。

この例をいくらあげても私は最初期していたような興味がさらに乗ってこないからこの辺でやめるが大日本の教育機関という大きな機械の歯車の一つを勤めている私がかくのごとく Zerstreut であって今までどうやら大失態も仕出かさなかったのは、自分の上にも下にも同僚にもいわゆる鵜の眼鷹の眼リンクスの眼の鋭い人達がそろっていてこのボンヤリ者を支えていてくれたからであろう。しかしかくのごときものが現代ないし将来の Arzt にはもちろんのことその昔放心なる物の代表とせられた Professor にも適せぬのは本篇の冒頭に述べたようで深く諸君の戒めとして貰いたい。