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せいじとさっかのげんじつ
政治と作家の現実
宮本 百合子
「文学」1947(昭和22)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,700 字 · 37 页
ソヴェト作家が、ソヴェトの人民国家の諸経験、諸成果、痛苦なその失敗から学び、描き、物語らないで、どこに彼らの創造的情熱の源泉がありうるだろう。ソヴェト作家は、ソヴェト人民国家の一員である以外にありようはない。この現実のうちに、かぎりない未来の達成と今日の未完成とがあり、文学の生粋なモティーヴがある。そこに作家が生きている社会は、過去のどんな社会の模倣でもないとき、作家がどうして、旧いもの、おくれたもの、足の萎えたる文化の模倣をしなければならないのだろう。そこの社会こそ人間らしい立体的人間性の発展のためにつくしているのに、なぜ作家は、陳雲が諷刺しているような畸型的「家」に自分をしばりつける必要があるだろう。私たち日本の民主的作家は、過去の日本の半封建の社会生活が、東洋においても西欧においても、どんなに貧弱にしか人類の幸福のために貢献しなかったかということを認めている。そのためにこそ日本文学は、その古典も現代作品も、世界にひろく生存していない。けっして、保守的で独善的な一部の人のいうように言語・風俗の特殊性だけが決定的条件ではない。それらの不便は、より重要な必要が生れ、要求がおこるなら、なにかの方法が発見され必ず克服されるのである。