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せいじとさっかのげんじつ
政治と作家の現実
宮本 百合子
「文学」1947(昭和22)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,700 字 · 37 页
それらはみんなアメリカの旺盛な生産力、激甚な自由競争、充実緊張した実務時間の半面におこる文化的要求の反映である。世界生産の諸部門において、ソヴェト同盟はアメリカに近接しつつあるし、ある部分ではそれを凌駕しつつある。勤労人民の生活条件の安定は、最もソヴェト同盟がまさっているだろう。社会主義的民主主義は社会生産の形態を、利潤の要求から直接生産者への享受に進展させているから。そういう社会生活の上に生じた笑いの欲望につづいて、五年間ソヴェト同盟が耐えて来たナチとの闘争は、七百万人の命を犠牲とする苛烈なものであった。永い忍耐のいるこの血闘は勝利で終った。ソヴェト市民は、そのときにあたってどんなに気分の快い転換を欲しただろう。たのしい音楽を! たのしいみもの(スペクタークル)を! そして読みものを! 美味いボルシチと久しぶりでの清潔なシーツとともに、それらを欲した。家具のにかわまでたべたソヴェト市民に、それらを欲する権利がなかったとでもいうのだろうか。
すべてのアクティヴな作家は、前線に、また前線に近い銃後に赴いて、彼らの文学的記録・通信を送っていた。十数年前には、モスクワの細長い書斎で、日本から来た女を前におきながら、私は退屈してしまったわ、曲芸も見あきたし……というようなことをいっていたベラ・イムベルでさえも、