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せいじしゅみのかんよう

政治趣味の涵養

大隈 重信

「早稻田學報 第貳百參拾參號」早稻田大學校友會、1914(大正3)年7月10日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,466 字 · 11 页

青空文庫

然るに何故に俊傑の士が起らぬか。老人が出たらこれを退けるという青年が起って来なければならぬのに、それが起らぬ。その証拠は帝国議会に於て多数を占めている党派が……我輩は直接に党派を率いてはいない、我輩の有する味方は少数であるが……老人が出てもこれを退けるという力もない。青年の血気盛んな人が老人に向ってどうすることも出来ないという。これはなんとしても病的状態である。この国民を病的状態から健康体に復して、而して大活動を喚起すことが必要であると思う。即ち教育の方針を一変しなければならぬと思う。単科大学とか官立私立とか、それも結構である。しかしそんなことはどっちになろうとも構わぬ。この政治を利用するだけの人間を造ることが出来ぬものであろうか。法律は勿論、文学でも理化学でも、如何なる学問をしようとも、政治的団体の国民である以上は、この芝居を見て芝居の善悪くらいは評するということがなければ、真の国民とはなれぬ。その真の国民が集合して、初めて強い国家は成り立つのである。ところが段々専門的になって、自己の専門は学者だ、自己は医者だ、自己は弁護士だ、自己は商人だ、政治などは知らぬと言う。