轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

けいごろん

敬語論

坂口 安吾

「文藝春秋 第二六巻第七号」1948(昭和23)年7月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,289 字 · 11 页

青空文庫

けれどもこうしてラジオや新聞に報じられているうちには、それが現行のものとなり、実在してしまうから仕方がない。言葉の場合などは慣用が絶対だという法則はないのであるから、いずれは文法に、ガチの慣用のうちで晴レガチだけが不規則、というようなことになって、言葉の方に文法を動かして行く力がある。言葉とは元々そういうもので、文法があって言葉ができたワケではなく、言葉があって、文法ができたのである。

それは文法にあわない、とか何とか学者先生が叫んでみたって、文法の空文とちがって言葉にこもるイノチというものは死んだ法則の制しうべからざるものなのだ。

だから、敬語を廃せなどゝ、現に行われている言葉のイノチある力に向って、新規則を立てゝ束縛しようとしたって、何の効果があるものでもない。

生活さえ改まれば言葉はカンタンに改まるのだ。言葉を改めようという努力などはミジンも必要ではない。見たまえ、戦争中の商人に向って、アリガトウと云ってくれと頼んだって、言ってくれるものじゃない。国民酒場のオヤジに向って、旦那、スミマセンガ、モウ一杯ナントカ、と頼んでいるのはオ客の方で、ダメだよ、ウルセエナ、と言っているのはオヤジの方なのである。