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ぶんかさい

文化祭

坂口 安吾

「小説新潮 第八巻第九号」1954(昭和29)年6月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,978 字 · 28 页

青空文庫

「二等というお話の由ですが、差上げたいのは山々なんですけれども、予算がありましてね。その予算がまた見事に狂いまして、本日の入場者千何百人のうちお金をだして切符を買って正式に入場したのが三十名ぐらいでしょう。三十円が三十枚で、たった九百円か。ウーム。これはまた少なすぎたな。どうにもならねえなア、九百円じゃア」

「それは会場整理の立場にあるアナタ方の責任ですわ」

「それはもう、たしかに我々の責任ですとも。ですから、いっそ自殺しようか、なんてことを云う者もあるし、死ぬにはまだ惜しい命だなんて声もあるし、テンヤワンヤですね。とにかく、どうにもなりません」

「何がどうにもならないのですか。自殺はできるはずよ」

「そういうはずですね。それは改めて研究しますが、二等運賃の方はどうにもならないようなんです」

「遁辞は許しません。あれだけの熱心な聴衆があったのですから、責任はアナタ方にあります。責任をとって下さい。自殺してみせて下さい。見物します」

「こまったな。みんなに相談いたしまして」

「アナタは幹事長でしょう」

「ハア。しかし、当村におきましては幹事長は小学校の級長と同列にありまして、一文のサラリーがあるわけでもなく、したがって責任も負わない規約になっておりまして」