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ぶんかさい
文化祭
「小説新潮 第八巻第九号」1954(昭和29)年6月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,978 字 · 28 页
お金をだして芸人をよんで、お金をとって見せる。そして、もうけなさい。文化祭はもうかるものですよ」
「興行は不況だそうじゃありませんか。本職がもうからないのに、素人がもうかるはずはないでしょう」
「素人だから、もうかります。文化祭ですからね。本職は文化祭がやれないので、気の毒なものですよ」
「では、失礼ですが、アナタに文化祭の幹事をやっていただけませんか」
「ええ、やってあげましょう。文化祭らしく、ワッとみなさんに景気をつけてあげましょう。たのしいものですよ。青春ですね」
意外また意外。いともアッサリとひきうけた。
当日から信二の家が文化祭企画本部になって、青年団の幹事連中が集合する。外れても自分の損にはならないようだから、ノータリンの坊っちゃんが何をやらかすかと面白ずくも手つだって、別に不平を云う者もいなかった。
「ストリップだしたら、もうかるべい」
という意見が圧倒的であったが、かの苦行僧はこれを静かに制して、
「いけません。かりにも、文化祭ですよ。生活を高めるものが、文化です。ボクの意見としては、ジャズバンドと美貌の歌手をつれてきたいと思うのですが、それも純粋な芸人でなしに、大学生のジャズバンドですね」