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ぶんがくにかんするかんそう

文学に関する感想

宮本 百合子

「プロレタリア文学」日本プロレタリア作家同盟機関誌、1932(昭和7)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,671 字 · 17 页

青空文庫

それは専制国日本の刑務所で実行している読書制限の問題である。

現在豊多摩にいる同志たちはトルストイやドストイェフスキイなどさえ禁止されているという有様だ。率直にいえば、そのような不便な境遇におかれる以前に、林はもっともっと基礎的な多くの勉学をプロレタリアの前衛として身につけておくべきであったろう。そしたら、不自由な読書の中からも掴むべき線は失わずに掴んだであろう。然し、これは、そうあったらよかったということに過ぎず、今日の激化した情勢のうちで誰がそのような十分の土台をつくり得た後、敵の襲撃に具えるということができよう。われらは、不意に、陰険に、不条理に短期間、あるいは長期間自由を奪われる。林は、二年の間、そのようにプログラムをもって読書してもなおかつレーニニズム的発展は十分なし得ないような書籍しか自身に許可しなかった支配階級に対して、かつて一度の憤りをも感じたことが無いであろうか。

「青年」が考証だおれであること、革命的作品ではないこと、そのような批判をうけることは林にとっては口惜しいであろう。そのような批判を避け難いと理解するとき、批判する者の舌はにがいのである。