轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ぶんがくのなかのかがくてきようそ

文学の中の科学的要素

寺田 寅彦

「電気と文芸 第二巻第一号」1921(大正10)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,413 字 · 11 页

青空文庫

それは必ずしも科学的なものでなくてもいいので、宗教的道徳的社会的のものでいいが、同様に科学的のものであってもいいのである。

ありのままの事実によらず、作者の想像を多く混入した写実派あるいは自然派の小説や戯曲のごときものは、もはや普通の意味において事実の叙述でない。しかしそうかと云ってそれはまた嘘でもない。ある真実なるものの描写でなければ何の価値があるだろう。このパラドックスは実は何でもない事である。ちょうど科学者がある実験を想像してその経過を既知の方則で導いて行くと同じように、作者は先ずある人間とその環境とを想定して、作者の把えていると信ずる一種の方則に照らして事件の推移を追究して行くのである。ただこの場合に科学の場合とちがうのは、その「方則」なるものが明白に単義的でなく、またいわゆる環境なるものの範囲が明白に制限し難い点にある。従ってその実験の結果もまた多義的であって、それの価値判断も困難である。しかし極端な場合を比較して見れば作者の「方則」や方法の差別は容易に分る。普通に批評家がある作物を見て、不自然であるとか、そうでないとかいうのはすなわち如上の意味においてである。