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ぶんげいじひょう

文芸時評

宮本 百合子

「中外商業新報」1937(昭和12)年7月30日~8月1日、3日、4日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,097 字 · 15 页

青空文庫

を行っていると主張しているのである。

もとより具象的な感覚のものである芸術の味得や評価をするに当って単にそれがつくられた時代の社会的環境の説明や当時の歴史がしからしめた認識の限界性だけを云々するだけでは終らないものであることは、既に正常な情感を具えた一般人に充分分っているところである。人類が今日まで夥しい努力と犠牲によって押しすすめて来た文化の蓄積を最も豊富、活溌に人間性の開花に資するようにうけとり活用して、そのような動的形態の中に脈々と燃える人間精神の不撓な前進の美を感得することは、何故これらの批評家にとってこれ程まで感情的に承認しにくいことなのであろう? これらの人々の内心がどんなカラクリで昏迷していればとて、文化上のガンジーさんの糸車にしがみついて、人類の進歩をうしろへうしろへと繰り戻して行きたいのであろうか?

亀井氏の説に従えばレーニンは未来を担う子供達を愛称しながら「遙かなる憧れ」としてそれを抱いていたから「スターリンは権力をもってマルクス・レーニンの芸術的意志を民衆に強制すべきである。マルクス・レーニンの次に来るものは奴隷なき希臘主義者ネロでなければならない」