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ぶんげいじひょう

文芸時評

宮本 百合子

「ナップ」第三回大会にふれて

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,743 字 · 18 页

青空文庫

人間が書かれていない」といわれるようなものになったのか。

第三回大会は、この点に力をこめて自己批判した。理由には勿論階級闘争の激化につれて加わる運動の非常な困難さがあげられた。一九三〇年は、かつて労農党華やかなりし頃とは別な世の中である。大衆は革命化している。が、ほんとに質のよい、永続的なプロレタリアートの運動は、一つのストライキ、一つの農民闘争の底に沈められている。その本体を把握し、ブルジョア官憲によって切りこまざかれる運動を全線の展望から理解し、しかも芸術品としてまとめることは、異常にむずかしい。

しかし、理由は、もう一つある。それは一九三〇年のスローガン「文学のボルシェビキ化」「前衛の目をもって書く」ということを、やや機械的に、平ったくいえば、小説の種をストライキや農民闘争にとれば、前衛的だ、という風に解釈した誤りだ。

芸術は生きものだから、それではうまくゆかない。

革命的プロレタリアートの闘争の形の主な一つは現在の過程において例えばストライキだ。「ナップ」の作家はそれを芸術の中へとらえ、描かなければならない。階級の芸術としてそれは、当然である。