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ぶんげいじひょう

文芸時評

宮本 百合子

「ナップ」第三回大会にふれて

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,743 字 · 18 页

青空文庫

大衆の中からの労農通信員こそ、新しい文化芸術創造の階級的萌芽である。彼らの中から、そろそろ現れて来はじめた若いプロレタリア作家こそ、存在そのものの本質においてすでに前衛的要求をもっている。

作家同盟は、労農通信員を組織し、その文化的自発性を助け、同時に、彼らと大衆とのうちにあってプロレタリア・リアリストとしての発育を遂げるべきだというのである。

これは日本のプロレタリア文学のために万歳! を叫んでいいことなのだ。

プロレタリア文学の正当な発達は、とどのつまり全プロレタリアの階級的自発性の発達でしかない。闘争をくぐり、文化戦線においても、ただ受け身のプロレタリア芸術消費者ではなくなりかけて来たほど、日本のプロレタリアの力は、高まった。芸術を生産するものが、芸術の生産者が生れはじめた。

これまで、作家は革命的プロレタリアートの実生活の中から題材をとって来た。それをこっちで作品にまとめて、再びそれを大衆の中へ逆輸入していた。いわばプロレタリア芸術の植民地関係だった。一九三一年の「ナップ」の方針が実現された時、この初期的な現象は、最も健康な脱皮で清算されるわけだ。