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ぶんげいじひょう

文芸時評

宮本 百合子

「ナップ」第三回大会にふれて

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,743 字 · 18 页

青空文庫

又は「ナップの国際的拡大」という言葉にふれようものなら、忽ち、

中止!

だ。

「――農民は野蕃人のような生活を強いられている。そして」

中止!

交代した書記の一人が朗読最中、苦しまぎれトッサの智慧で「我々はバツバツ主義の」

というやいわぬに、

中止!

これは、みんなの哄笑と猛烈な抗議的拍手をよび起した。

議事録はと見れば、そもそも一九三〇年度の作家同盟の文学活動を要約すれば云々というスローガンが真黒に塗り消されているばかりではない。三一年の活動方針のところでは、「その方針を決定するに当って、根本的な条件をなすものとして」以下、真黒だ。爪でひっ掻いたって、墨汁をぬたくられた作家同盟の活動を決定する根本的な条件なるものは、見ることができない。墨汁の下に何が抹殺されたのか? 「ナップ」の国際組織加入その他ハリコフ会議の決議である。

官憲は大会のはじめっから終りまで「ハリコフ」という四字を、そのほかのいろんなプロレタリア芸術運動の階級性を示す言葉と一緒にタブーにした。断然いわせなかった。

だが、大会へのメッセージは、トヨタマ刑務所の内から、朝鮮プロレタリア作家同盟(カップ)から送られたばかりではない。