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あたらしいていこうについて
新しい抵抗について
宮本 百合子
「学生評論」1号、1949(昭和24)年9月発行
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,451 字 · 31 页
現実の社会悪ととりくんで、悪の中から一つ一つと、社会と人間のよりよい変革のための方向をひき出してゆく、善意の実感の美しい生きた力を欠いていることの証拠です。これは古風な正義派の感覚ではありません。
一般の人々が、毎日の生活の中にこれほどの不合理と権力の押しつけがましさを感じ、物質と精神の渇きあがった苦しさを感じているとき、このままでは、やりきれないという、素朴な人間感情からだけでさえも、自然に変革と前進との側に立たないわけにはゆかないのです。青春そのものがそういうものであるわけです。だから共産主義というものに理解がなくて、共産党員といわれる人々の中にいけすかないものがあるにしても、自分のすきでない共産党や共産党員がやっつけられるという小気味よさにだまされて、本質的には、いい気味がっている本人自身の市民的自由や生活権をかっぱらわれてしまうような、愚かな快感に浸ることは全く人民的自殺です。自分の首をしめていい気持だといっているうちに、窒息してしまった少年よりもおろかです。この愚かなことが一九三三年から以後の日本にはあったのです。やっつけられるのは、左翼の者ばかりだ。