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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
長谷川時雨『新編 近代美人伝 (下)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:市川九女八、江木欣々女史、遠藤(岩野)清子、大塚楠緒子、九条武子、朱絃舎浜子、田沢稲船、柳原燁子(白蓮)、モルガンお雪。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 页
籌子夫人は十一歳の時に、鏡如様のお許嫁として、大谷家へ入輿せられ、幼き日より朝夕を、武子姫と共に――良致男爵は籌子夫人の弟君に当られます。なお、夫人の妹君には九条家に子姫がいられるのでした。ことに、良致男爵へ武子姫が、なおまた鏡如様の弟君の惇麿様(光明師)へ※(「糸+壬」、第3水準1-89-92)子姫が、御縁づきになりますことは、籌子夫人御自身の深いお望みなのでした。その暁には、九条家と大谷家との御兄弟が、互にお三方とも御結婚になり、両家にとりてこの上のお睦みはないのでした。
籌子お裏方より直接のお諮りを受けまして、重職の人々は、九条良致男爵を、初めて選考の会議に上すようになりました。それまでは、子爵以上とのみ考えていたのです。
なぜ、子爵だ、男爵だというのか、それは前に、東の御連枝という人を、無爵だといって断わったからで、男爵というのに拘わるのも、それでは男爵になれるようしますからとまでいって来たのを、すくなくも子爵でなくてはと拒絶したといわれているのを、わたし自身が頷くために、引いてみたのだが、良致氏は前から男爵ではなく、武子さんを娶る前になったのだった。