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まさことまき

方子と末起

小栗 虫太郎

「週刊朝日読物号」朝日新聞社、1938(昭和13)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,517 字 · 24 页

青空文庫

でもそれには、どうして末起の義父さまがあの部屋へ入ったか、だいいち、その証明が要ると思いますわ。それで末起は、ページを繰りながら朱線のあるところを、よく読んで裏の意味を考えるのです。いいこと……。では、最初のページの、四行目に、

アリスは、なんで絵のない本が役に立つのだろうと、考えた。

それは末起に、決して意味のない本だと思って、軽蔑してはいけないということ。それから、五行目に、

「可愛いダイアナ(猫の名)おまえが、一緒にくりゃ、どんなによかったろう。だけど、空にはまさか、二十日鼠はいないでしょう。だけど蝙蝠なら、捕まえられると思うわ。それは、二十日鼠にたいへん似ているものなの。でも、猫は蝙蝠を食べるかしらん」

そろそろ、アリスは疲れはじめたらしく、夢心地で独り言をいい続けました。

「猫は、蝙蝠を食べるかしら……、猫が、蝙蝠を食べるかしら……」

と、続いて、

「蝙蝠が猫を食べるかしら……」

となったのは、まえの質疑に答えられなかったため、それが大変な間違いになってしまったのです。

今度は六ページ目に、

「それに、たとえば頭だけ出たところで……」

と、可哀そうなアリスはこう考えはじめました。