轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
りょかくきじけん
旅客機事件
大庭 武年
「探偵」駿南社、1931(昭和6)年11月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,209 字 · 21 页
そしてうんうん聞いていたが、不審気な面持で、受話器を池内の方へ渡してよこした。
「P民間飛行場から長距離の電話だ。何だか僕には分らぬ事を言っている」
かわるとそれは斯うだった。――「御通知によって、昨朝飛翔したアブロ練習機を精査してみると、車輪軸に打たれている鋲が一個はずれている事を発見した。紛失は昨日の練習飛行の際行われたものである事は明らかである」
「検事殿、犯人はわかりました。それは練習機からはずれて飛んだ小さな鋼鉄の鋲でした」電話機を投げ出すように置くと池内が叫んだ。「幸いにして私の予想が当った事をうれしく思います。綿井氏は秀岡氏が不慮の死に遭ったのを目撃して、不図悪心を起したのでしょう、神の審きがすぐある事を知らず……」
5
「いや実際僕は慌てたよ」
晴れた朝のH飛行場の草の上を、池内は三枝と肩を並べ乍ら、ブルンブルン、プロペラアを唸らせている旅客機の方へ歩いて行きつつ言った。――「どうも形勢君に不利なんだからな。然し僕にどうしても想像つかなかったのは兇器だ。君は僕から見て事件から無関係であるとしても、綿井氏が機に乗る前から、秀岡氏に殺意を抱いていたものとは考えられぬ。