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ひはかがやけり

日は輝けり

宮本 百合子

「中央公論」1917(大正6)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,445 字 · 152 页

青空文庫

が、二組のこの親と子を、静かに眺めているのを、浩は感じたのである。

彼の母親は、まだ十六だったお咲を、可愛いばかりに、恭二が若く、また近親であるということをも考えずに嫁入らせた。そのとき、もう既に、咲二がすべての点に不幸な子として現わるべき胚種が、下されていたのである。けれども、誰もそのことは考えずに、咲二が変則な精神作用を持って出て来たことを、偶然のように、また有り得べからざることのように、驚き、かつ悲しんだのであった。

お咲は、咲二を人の物笑いにさせたくなかった。どうぞ立派な人、せめては人並みにだけさせたいばかりに、禁厭にすがった。命より大切な子を、とんだことにした心痛のあまり自分まで物狂おしくなる。「自然は彼女等に、母親の愛情――その子のためには、何ものをも顧りみない熱情――をあまりに強く与えてくれすぎた」浩は堪えられない心持がした。二人の狂人を今日出すまでには、もう幾年も前から、目にこそ見えね準備されていたのである。

彼は全く辛かった。不幸すぎた。

「けれども、俺は立ちどまることは出来ない! あくまでも進まなければならないのだ。勇ましく、しっかりと、お前は男だ※(感嘆符二つ、1-8-75)」