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ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
「中央公論」1917(大正6)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,445 字 · 152 页
冗談も云わず、ろくに笑いもしない。徹頭徹尾謹厳だといわれたがっているように見られた庸之助は、或る意味の嫉視と侮蔑から変物扱いにされていたのである。武士道の遵奉者であった。
「浩さん! 手紙か?」彼は仲間の上に身をかがめた。
「うん。もう君はお止めなのかい? まだいつもより早いんじゃあないか!」
「駄目だよ。奴等の騒で考えも何もめちゃめちゃだ。何があんなにおかしいんだ。娘っ子のように暇さえあれば、ゲラゲラ、ゲラゲラ、笑ってばかりいやがる」
庸之助は、浩に対してよりも、もっと当つけらしい口調で云った。一つ二つの顔が振向いた。そしてもう一層の大笑いが、壁をゆするようにして起った。彼の口小言を嘲笑したのはいうまでもない。
「あれだ! 見ろ※(感嘆符二つ、1-8-75)」
「まあ君、そんなに怒ったって駄目だよ。宿直へでも行ったら好いじゃあないか、あすこならお爺さん一人で静かなもんだよ」
「なに好いよ。今夜は……誰れ? お父さんかい?」
「ああ手間ばっかりかかってね」
「姉さんのことでも云ってやるのかい。同胞があると、お互に三人分も四人分も心配しなけりゃあならないねえ。結句僕のように独りっきりだと、そんな心配は要らないで、さっぱりとしている。