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ひはかがやけり

日は輝けり

宮本 百合子

「中央公論」1917(大正6)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,445 字 · 152 页

青空文庫

書面のあちらこちらに散在している「公明正大」という四字が、天から地まで一杯に拡がって、仁丹の広告のように、パッと現われたり消えたりしているのを彼は感じた。

「さすがは父さんだ。偉い! 見上げたものだ。なにね、そりゃ始めっからキットこうなんだとは思っていたんだが、ちっとばかり心配だったんでね、父さん! ハハハハハ」

満足するほど、独りで泣いたり笑ったりしたあげく、融けそうな微笑を浮べながら、庸之助は部屋に戻ってきて、何か書きものをしている浩のところへ、真直に進んで行った。肩に手をかけた。

「オイ! よかったよ!」

弾んだ声が唇を離れると同時に、肩に乗せていた彼の手の先には、無意識に力が入って、握っていたペンから、飛沫になってインクが飛び散るほど、浩の体をゆりこくった。

「う?」

「よかったよ君! もうすっかり解った。何でもなかったんだよ※(感嘆符二つ、1-8-75)」

笑み崩れた庸之助の顔が、「あのことだよあのことだよ」と囁やいた。

「え? ほんとうかい? ほんとうに何でもなかったんかい? そーうかい! そりゃあほんとによかったねえ君! ほんとうによかった!」