轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
「中央公論」1917(大正6)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,445 字 · 152 页
十
限られた日数と金の続く間に、あれもこれもと、孝之進は毎日毎日、纏りなくせわしい日を送った。M家の金のこともあるので、出来るだけ早く帰国したいと心は焦りながら、今夜浩の世話になっているK商店を訪ねて、おそくも明日の夜行で立ちたいと、彼が決心したのは、予定より五日も後れていた。
平常、高瀬などでも浩のことは賞めこそすれ、悪いなどとは爪の先ほども云ったことがないので、孝之進は心ひそかにKの取締りからも、同様な賞讃を期待して出かけて行った。応接間に通されて、取締りが面会した。
「浩さんもなかなかよく尽していてくれるので、私共もめっけものだと思って喜んでおります」
最初は、普通、若い者にきっと与えられる通りの賞め言葉が続いた。「正直だとか、品行が正しいとか云うのは、俺の子なら、何も驚くことではない」と孝之進は思った。一体彼は、昔から家老という代々の家柄は、たとい自分の代でその職にはつかなくなったとしてもどこか平の士とは違ったところがなければならないと思っていた。が、貧乏なときでも、病気のときでも、それは別に奇蹟を現わすほどの力もないらしく見えたまま今日まで過ぎて来たのだ。