轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

にほんのしょうらい

日本の将来

中谷 宇吉郎

「民族の自立」一時間文庫、新潮社、1953(昭和28)年12月20日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,422 字 · 13 页

青空文庫

故国への思慕というもの、また民族の血のつながりというものは、それほど根強いものなのである。外国にしばらく住んでみた経験のある人ならば、誰でも、こういう気持を理解することが出来るであろう。それでこの頃は私なども、柄にもなく、日本の将来のことなどを考えてみる場合が時々あるわけである。

そういう気持に拍車をかけるものは、この頃日本から来る手紙や新聞などである。新聞の紙面は、相もかわらず、陰惨な記事か、うつろな話ばかりである。親しい人たちからの手紙にも、言葉の末々に、日本の前途に対する暗い見透しがちらついていることが多い。要するに今の日本では、「どうしたらよいのか」誰にもわからないように見える。国民全体が、五里霧中の姿で、ただ無暗と忙しくかけ廻っているという恰好といっていいかもしれない。

本当は一般の国民は、国の前途などという大それたことを考えず日々平穏に自分のつとめを果しておればよいわけである。そして信用して選挙した人たちに、国政のことや、国の前途のことはまかせて、自分は自分だけで、つつましやかに生きて行けば、よいはずである。しかし今の日本では、どう贔屓目にみても、肝腎な為政者たちからして、一番肝腎なこと、即ち「どうしたらよいのか」