轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

にほんたんていしょうせつかいすんぴょう

日本探偵小説界寸評

国枝 史郎

「読売新聞」1925(大正14)年8月31日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,856 字 · 12 页

青空文庫

掏摸さえ主人公に持って来れば、「地下鉄サム」の影響ありと、ともすれば云いたがる評者自身の、この可くない批評癖は自分でも充分承知であるが、併し矢っ張り此作は、「サム」に似ていると云いたいのである。と云って勿論「サム」のような、名作でも何んでも無いのである。ただ女流の作だけに、全体を通じて曖昧のあるのが、見遁すことの出来ない特色と云える。

大下宇陀児氏の「金口の巻煙草」は、厭味のない作である。金口煙草一本から、不良少年を看破するのも、不自然でなくて結構である。そうして読後感じさせられることは、高等学校の生徒等の、センチメンタルな義侠心などは、児戯に類するタワコトだという、そういう暗示的な皮肉である。

谷譲次氏の発表する米国を舞台の軽快文学は、佐々木指月氏の作風を想わせ、頗る愉快なものであるが、探偵小説「上海された男」には、その特色が稀薄である。一体何うしたというのだろう。

水谷準氏の「盲目の画家」は、もう少し磨きをかけたなら、その惨酷味もその凄味も、ピリッと読者へ来ただろうに、それの無かったのは遺憾であり、城昌幸氏の「怪奇の創造」も同じ欠点に堕している。