轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

長谷川時雨『旧聞日本橋』。同一底本的分册已合并为一书。收入:旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋、旧聞日本橋。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 158,045 字 · 322 页

青空文庫

父はちょいと振りかえって笑いかけたが、声はかけなかった。あたしたちは、振りかえり振りかえりして、おまるちゃんが自分たちの方へこようとしなかったのをさびしがった。ひょいと方向が違ってしまったと見えて大木の根をグルリと廻って見ても、そこに父の姿は見出せなかった。

迷児になってしまったのだった。二人はベソをかくのを隠しっこをしてウロウロしたが上野の山は桜が白くこぼれて、山下の燈があかるいほどなおさびしかった。鐘つき堂の鐘が鳴った――

ふと、青石横町の、母方の祖母の家で、寝ざめや、寝ぎわにきいた、三ツは捨て鐘で、四つめから数えるのだときいたことから外祖母の家を思いだした。おばあさんの家へいっていたら、父がたずねて来てくれるかも知れないと気がついた。青石横町にいると、五月雨の雨上りの日など抄い網をもって、三枚橋の下へ小蝦や金魚をすくいに来たから、石段をおりれば道は知っていた。おさないはらからは、手をつないで、ぼんやりと、暗くなってからやっとその家に辿りついた。

おまるちゃんが「亀の年」といったのは、よく諸方で可愛がられる子で、近所の――そばや利久の前の家――酒屋で、孫娘のように大事にしてよく借に来た。