轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

08 その七 石の下

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,242 字 · 65 页

青空文庫

ハッハ」

問題は道なき山の頂上へ登る手口の発見だ。山へふみこむと山の姿を見失う。そのとき己れの位置と方角をいかにして正しく知るかという問題だ。だが山中には越えがたい藪や絶壁が諸方にあるし、二日三日で仕上げのできることでないのは確かであった。

明日はいよいよ二十一周忌の当日という夕方、甚八が疲れきって山から戻ってくると、珍しく離れから使いがきて、遊びにこないかという。行ってみると、天鬼を中央に、千代も入間夫妻もそろっている。天鬼は笑って、

「棟梁にははじめての挨拶だが、私は千代の兄で安倍天鬼という者だ。こッちの夫婦は入間玄斎という御家人くずれの通人だ。今度の招待には、棟梁もめっぽう面くらったらしいな」

「ヘッヘ」

「くわしい事情は私が説明しなくともみんな探りだしたであろうが、ハッハ。イヤ、あんたがこの村へきてからのことは、みんな知っとるよ。よくもまア足マメに一軒のこらず訊いて廻ったものじゃアないか。よほど面くらわなくちゃアできない芸当だが、しかし、癖がなくちゃアこう身を入れてやれるものじゃアない。その癖に感じて、ここに誰からも訊きだすことができなかった一ツの書附を進ぜようじゃないか」