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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
08 その七 石の下
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,242 字 · 65 页
以上が今日の史料から判読しうる事実であるが、さだは長安の生前多くの財宝をうけとってそれを生家に秘蔵していたと見るべきであろうか。幸いにその財宝は長安の死後も発見されずに、そのまま千頭家の私財となり、ここに千頭家開運の元をひらいた。当家大明神大女神とあるのは、それを指すのであろう。
甚八はそんなことまでは知り得なかったが、佐渡金山奉行に関係ある財宝が石の下に隠されているものと睨んだ。
明日は法事の当日。これで千頭家の逗留は終りだが、その方が清々と後クサレなしというものだ。明後日から川越あたりに宿をとって、精根つくして秘密の石を見届けてやろう。東京から二三人若い者をよびよせて、万事手ぬかりなくやるから成功疑いなしだと甚八は満々たる自信であった。
ところが、甚八がさて寝につこうとする時、現れたのは須曾麻呂であった。
「いよいよ法事の当日になりましたが、津右衛門どのの霊にでてもらいますから、身支度して、おいで下さい」
「法事は明日じゃアありませんか」
「甚八さんは二十年前をお忘れとみえますね。あなたは仏と碁をうって夜をふかし、四目の対局の時には翌日未明になっていたのですよ。