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せいざ
星座
有島 武郎
1922(大正11)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,460 字 · 235 页
そうだろう。俺が今日いったような考えはすべての階級の人間が多少ずつは持ってるんだ。そう俺は思うな――というより断言できる。俺は何しろ星野に今日の演説を聞いてもらいたかった。とにかく俺はやってみる。こんな処で神妙に我慢していることはもう俺には、どうしてもできんよ。ちっとやそっとの横文字の読める百姓になったところで貴様、それが何んの足しになるかさ。東京に行ってひとつ俺は暴れ放題に暴れるだ。何をやったっても人間一生だ。手ごたえのある処にいって暴れてみないじゃ腹の虫が承知しないからな。けれどもだ。ペンタゴンなんか相手にしていたんじゃなあ……柿江なんぞも、田舎新聞にひとりよがりな投書ぐらい載せてもらって得意になっていないで、ちっと眼を高所大所に向けてみろ。……何んといってもそこに行くと星野は話せるよ」
ガンベは実際どこかに堅実なところがあって、それが言葉になるとうっかり矢面には立てなかった。今の言葉にも西山はちょっとたじろいたので、いっそう心の奥のありさまそのままを誰を相手ともなくいい放った。それはかえって彼の心をすがすがしくした。そして演壇に立って以来鎮まらずにいる熱い血液が、またもや音を立てて皮膚の下を力強く流れるのを感じた。