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とけいとまどのはなし

時計と窓の話

小川 未明

「小学五年生 4巻6号」1951(昭和26)年9月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,803 字 · 10 页

青空文庫

」と、一人が、せめるごとくいいました。

「そのつもりで、きたんだが。」と、私は、どうして、おくれたのか、ふしぎに思ったのです。

「正ちゃんの時計は、やはりおくれているのだ。ラジオのほうが、まちがっているなんて、君はおかしなことをいったよ。ちょうど、日本が世界じゅうでいちばん強いと思っていたのと、おんなじなんだぜ。」と、山本くんが、じょうだんをいって笑いました。それをきいて一同が笑い出しました。ぼくは、そういわれると、さすがに、はずかしくなりました。父の自慢した時計が、やはり正確でなかったのかと思ったのであります。

家へ帰ると、さっそく、柱時計と、おき時計の時間を見くらべてみました。やはり、十五分ばかりちがっていました。いままで、こんな研究をしなかったことにも、落ち度がありました。

「おとうさん、あのおき時計は、くるっていますね。」と、ぼくは、父にむかっていいました。

「そうか。進むのか、おくれるのか。」と、父は、聞きかえしました。

「外国製の正確な時計とばかり信じて、ラジオのほうをちがっていると思ったのですが、いま見ると、やはり、おくれているんです。」

そう、ぼくがいうと、父は、笑い出して、