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あけみのうた

曙覧の歌

正岡 子規

「日本」日本新聞社、1899(明治32)年3月22日~24日、26日、28日、30日、4月9日、22日~23日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,667 字 · 26 页

青空文庫

慶応三年の夏、始めて秩禄を受くるの人となりしもわずかに二年を経て明治二年の秋(?)彼は神の国に登りぬ。曙覧が古典を究め学問に耽りしことは別に説くを要せず。貧苦の中にありて「机に千文八百文堆く載せ」たりという一事はこれを証して余りあるべし。その敬神尊王の主義を現したる歌の中に

高山彦九郎正之

大御門そのかたむきて橋上に頂根突けむ真心たふと

をりにふれてよみつづけける(録一)

吹風の目にこそ見えぬ神々は此天地にかむづまります

独楽※(「口+金」、第3水準1-15-5)(録二)

たのしみは戎夷よろこぶ世の中に皇国忘れぬ人を見るとき

たのしみは鈴屋大人の後に生れその御諭をうくる思ふ時

赤心報国(録一)

国汚す奴あらばと太刀抜て仇にもあらぬ壁に物いふ

示人(録一)

天皇は神にしますぞ天皇の勅としいはばかしこみまつれ

極めて安心に極めて平和なる曙覧も一たび国体の上に想い到る時は満腔の熱血を灑ぎて敬神の歌を作り不平の吟をなす。慷慨淋漓、筆、剣のごとし。また平日の貧曙覧に非ず。彼がわずかに王政維新の盛典に逢うを得たるはいかばかりうれしかりけむ。

慶応四年春、浪華に

行幸あるに吾

宰相君御供仕たまへる御とも仕まつりに、上月景光主のめされてはるばるのぼりけるうまのはなむけに