轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きょくばだんの「トッテンカン」

曲馬団の「トッテンカン」

下村 千秋

「赤い鳥」赤い鳥社、1928(昭和3)年9~11月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 16,620 字 · 34 页

青空文庫

「この鬼め、この罰あたりめ、首でもくくって死んでしまえ!」

青くなって叫んでいる新吉を、団長はただにやにや笑って見ているばかりでした。

次の日、わか姉さんは新吉をものかげへ呼んで、こう言いました。

「新吉さん――トッテンカンなんて呼ぶのは止しましょうね。もとの新吉さんになって、そして、この曲馬団から逃げ出してしまいなさいよ。そしてお国の町の鍛冶屋さんへおかえんなさい。」

「僕もそう考えたのだけど、あの鍛冶屋のおやじのところへ帰るのはいやなんだ。」

「じゃ、どこかほかにない? 新吉さんを引き取ってくれるところが。」

「東京に叔父さんがいるの。僕の姉さんもそこにいるから、僕そこへ行こうかしら。」

「それがいい。お金も少しばかりわたしが上げるからね。ここにいつまでもぐずぐずしていたら、新吉さんも、あのきえちゃんのような目にあわされるにきまっているから。」

「この曲馬団に入る前に、わか姉さんにいわれたことが、僕今になってやっとわかったよ。それで、わか姉さんはどうするの?」

「わたしはわたしで、ほかに考えていることがあるから、わたしのことは心配しないでいいのよ。」

二人はそう話し合って、その夜は小屋の隅へ、テントをゆすぶる秋風をききながら寝ました。