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さいしょのしゅっぴんが

最初の出品画

上村 松園

――四季美人図――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,831 字 · 6 页

青空文庫

「先生、こないなふうに描こうと思うとりますがどないどっしゃろ?」

「ふん、こうしたらよかろ」

といったぐあいで、本当に子供らしい気ばりで絵にむかっていったものである。

一枚の絵をながいことかかって描いた。

絵につかう用紙は、当時は普通紙本で稽古し、特別にどこかに飾ったり出品しなければならないようなものには絹本を用いたが、絹本に描くよりは紙本に描くことの方が難しかった。

第三回勧業博覧会は東京で開催されたが、まず私ども京都画壇では京都中の出品をその前年の明治二十二年十二月に京都府庁内で府庁の手によって展覧に供され、やがてそれを一まとめにして東京に荷送りしたもので、出品の人選はそれぞれの師が自分の弟子たちのなかから自由にえらんだものである。

「絵を出さしてやるさかいきばって描きなさい」

「この子、絵筋がええさかい、きばって描かそか……」

といったぐあいで、現今のように審査という選定方法もなく、出品された以上は落第も及第もなかったので、結局それぞれの師の目にとまった絵が自選の形式で出品されていたわけである。

そのようにして鈴木松年先生の塾からもたしか十五、六枚出されたように記憶している。