轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あさやけ

朝やけ

豊島 与志雄

「光」1947(昭和22)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,795 字 · 24 页

青空文庫

白粉を洗い落した皮膚は艶やかで、顔の大型なわりに鼻がすっきりと細く、受け口をなして※(「臣+頁」、第4水準2-92-25)が少ししゃくれている。そして安らかな息をしているが、それに一種の香気があった。――だいたいに、酩酊者の息は臭い。おれ自身、酔後の息の臭さを自分でも感ずる。だが喜久子は、いくら酒を飲んでも、実際はそうたくさん飲まないのかも知れないが、おれの知ってる限りでは、息が臭くなることはなく、却って一種の香気を帯びた。そのことをおれは、女性の体温の浄化作用かとも思ったものだ。盲目の淵の中でのばかな錯覚に違いない。おれ自身の息が甚しく臭いものだから、彼女の息の適度の臭さを香気とも感じたのであろう。朝露と朝焼けとの中の空気に比すれば、たしかに彼女の息はいくらか臭かった。

肱で突つかれて、彼女は、仰向けから向うむきに寝返った。大きな乳房がゆらりと揺れた……とおれは感じた。そう感じさせるものが、彼女の体躯に、殊にそのまるっこい背中にあったのだ。寝間着は着てるが、洗いざらしのその布地はガーゼのように薄く、それがぴったり絡んでる肉体は、厚ぼったく重々しく、そして柔かな温気を漂わせている。