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ちょうせんのともにおくるしょ

朝鮮の友に贈る書

柳 宗悦

「改造」1920(大正9)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,604 字 · 32 页

青空文庫

線にはまざまざと人生に対する悲哀の想いや、苦悶の歴史が記されている。その静かな内に含む匿れた美には、朝鮮の心が今なお伝わっている。私は私の机の上に在る磁器を眺める毎に、寂しい涙がその静かな釉薬の中に漂っているように想う。

しばしばこれらの作品は私にこう話し掛ける。「人生はいつも淋しくしめやかに見える。長い間私たちの民族は苦しい歴史を続けてきた。しかし誰もその悶える心を察してはくれない。また何処にも私たちの心を打ち明け得る友を持たない。私たちはせめてもの想いに、これらの器具にその情を洩らしたのである。それらのもののみは、私たちを欺かない日々の友であった。後に生れてくる人々よ、希くはこれらのものを傍ら近くに置かれよ。それは声なくともいつも人情を恋している。これらのものを愛し用いて、われらの心を温め給えよ、温められようとて私たちはこれらの作を造ったのである。」おお、私はかかる声が器の底から絞り出る時、どうして私の手をそれに触れずにいられよう。

ある時その淋しい姿は亡霊の如く浮び出て、私にこうも告げた。「他国の人々よ、どうしてそう酷い事を吾々の民族にしむけるのであるか。