轻松读懂日语经典作品
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すえっこ
末っ子
山本 周五郎
「オール読物」文藝春秋新社、1957(昭和32)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,564 字 · 55 页
ひいてらっしゃるんですな、私の店などはごらんのとおり半端物をつくねたようなありさまですが、なにしろこのがらくたの中から、若旦那がこれとにらんだ物は必ず値が付くんですから、そんなことが幾たびあったかしれやしません、だもんですから私はお侍なんかやめなさいって云うんです、御三男の末っ子だそうですからな、いっそ大小を捨てて裏の細江さんのお嬢さんを貰って、道具屋を始めたらどうですって、そのほうが気楽でもあり、きっとひとしんしょうおこしますぜって、よくそう云ってあげるんです、ええ、ああ細江さんですか、それは一つ向う路次の長屋にいる御浪人で、御主人は三年まえに亡くなり、いまはその御妻女と、みのと仰しゃるお嬢さんとお二人ぐらしです、この店へは御主人の病ちゅうから、お嬢さんが物を売りにいらっしゃるので存じあげているんですが、なにしろお武家育ちだから、内職をしてもなかなか賄えないんでしょう、いまでもちょくちょくおみえになります、初めはかなりいい品も頂きました、ええ、儲けさせて頂いたこともありますが、ちかごろはもうさっぱりです、お腰の物などもやむなく頂きましたが、そこのその、隅のところに埃をかぶっている始末で、市へ持ってゆく気にもなりません、さようです、そのお嬢さんのことは小出の若旦那も御存じですよ、この店で幾たびか顔が合っ