轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きょうゆう
梟雄
「文藝春秋 第三一巻第八号」1953(昭和28)年6月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,160 字 · 31 页
こういう凝った趣向をしておいて、自分は富田の町はずれの民家にかくれ、戸の隙間から信長の通過を待っていた。いかに信長がバカヤローでも人に会う時は加減もしようから、誰に気兼ねもない時のバカヤローぶりを見物しようというコンタンであった。
信長は鉄砲弓五百人、三間半の長い槍が五百人、自分の家来殆ど全部ひきつれて、木曾川を渡ってやってきた。兵隊の数は多くはないが、装備は立派なものである。
ところがその行列のマンナカへんに馬に乗ってる殿様がものすごい。頭は茶センマゲと云って、髪を一束にヒモで結えただけの小僧ッ子の頭である。その日のヒモはモエギであった。このバカ小僧はマゲを結ぶヒモの色に趣味があって、モエギかマッカの色のヒモしか使わないというのはすでに評判になっている。
明衣の袖を外して着ている。大小に荒ナワをまいて腰にさし、また火ウチ袋を七ツ八ツ腰にぶらさげている。腰に小ブクロをたくさんつけてるのは当時猿マワシの装束がそうだった。信長の様子はその猿マワシにそっくりだった。
ところがこの火ウチ袋は信長の魂こめた兵法の必然的な結果であった。それは彼に従う鉄砲組の腰を見れば分るのだ。