轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きょうゆう
梟雄
「文藝春秋 第三一巻第八号」1953(昭和28)年6月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,160 字 · 31 页
みんな七ツ八ツの火ウチ袋をぶらさげているのだ。袋の中には多くのタマと火薬などが入っていた。
知らない人々が解釈に苦しむのは無理もない。彼らにとっては、鉄砲とはただ一発しか射てないものだと相場がきまっていたからである。多くのタマや火薬を腰にぶらさげる必要なぞ考えることもできなかったのである。そして猿マワシに似たカッコウを笑うことしか知らなかった。
しかし、道三に袋の意味が分らぬ筈はなかった。
信長はまるで風にもたれるように馬上フラリフラリと通って行く。虎の皮と豹の皮を四半分ずつ縫い合せた大そうな半袴をはいていた。どこからどこまで悪趣味だった。
道三は笑いがとまらない。必死に声を殺すために腹が痛くなるのであった。
ところが、信長は正徳寺につくと、一室にとじこもり、ビョウブをひき廻して、ひそかに化粧をはじめた。カミを折マゲにゆう。肩衣に長袴。細身の美しい飾り太刀。みんな用意してきたのだ。
ビョウブを払って現れる。家来たちもはじめて見る信長の大人の姿であった。水もしたたるキンダチ姿であった。
信長は本堂へのぼる。ズラリと物々しいガンクビが居並んでいる。知らんフリして通りすぎ、縁の柱にもたれていた。