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えどかとうきょうか

梵雲庵雑話

淡島 寒月

淡島寒月『梵雲庵雑話』。同一底本的分册已合并为一书。收入:江戸か東京か、明治十年前後、銀座は昔からハイカラな所、寺内の奇人団、亡び行く江戸趣味、土俗玩具の話、活動写真、梵雲庵漫録、諸国の玩具、我が宗教観、凧の話。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,841 字 · 73 页

青空文庫

物売りではないが、紅勘というのはかなり有名なものだった。浅黄の石持で柿色の袖なしに裁布をはいて、腰に七輪のアミを提げて、それを叩いたり三味線を引いたりして、種々な音色を聞かせたが、これは芝居や所作事にまで取り入れられたほど名高いものである。

二

それから両国の広小路辺にも随分物売りがいたものだった。中で一番記憶に残っているのは細工飴の店で、大きな瓢箪や橋弁慶なぞを飴でこしらえて、買いに来たものは籤を引かせて、当ったものにそれを遣るというので、私などもよく買いに行ったものだが、いつも詰らない飴細工ばかり引き当てて、欲しいと思う橋弁慶なぞは、何時も取ったことがなく落胆したものだった。

物売りの部へ入れるのは妙だが、神田橋本町の願人坊主にも、いろいろ面白いのがいた。決してただ銭を貰うという事はなく、皆何か芸をしたものだけに、その時々には様々な異ったものが飛出したもので、丹波の荒熊だの、役者の紋当て謎解き、または袋の中からいろいろな一文人形を出して並べ立てて、一々言い立てをして銭を貰うのは普通だったが、中には親孝行で御座いといって、張子の人形を息子に見立てて、胸へ縛り付け、自分が負ぶさった格好をして銭を貰うもの――これは評判が好くて長続きした。