轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かんおけのはなよめ

棺桶の花嫁

海野 十三

「ぷろふいる」1937(昭和12)年1~3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 42,845 字 · 86 页

青空文庫

「なんだい、小山」

「先生、あたしが棺の中に入りますわ」

「ナニ君が……。それは――」

よした方がいい――と云おうとして杜はそれが多勢の生徒の前であることに気づき、出かかった言葉をグッとのどの奥に嚥みこんだ。

「――じゃ、小山に入ってもらうか」

英語劇「ジュリアス・シーザー」――それが近づく学芸会に、女学部三年が出すプログラムだった。杜先生は、この女学校に赴任して間もない若い理学士だったが、このクラスを受持として預けられたので、やむを得ずその演出にあたらねばならなかった。

はじめ女生徒たちは、こんな新米の、しかも理科の先生になんか監督されることをたいへん不平に思った。でも練習が始まってみると、さすがに猛けき文学少女団も、ライオンの前の兎のように温和しくなってしまった。そのわけは、杜先生こそ、理学部出とはいうものの、学生時代には校内の演劇研究会や脚本朗読会のメムバーとして活躍した人であったから、その素人ばなれのした実力がものをいって、たちまち小生意気な生徒たちの口を黙らせてしまったのである。

空虚の棺桶は、ローマの国会議事堂前へなぞらえた壇の下に、据えられていたが、これはふたたび女生徒に担がれて講堂入口の方へ搬ばれた。